スーパーコンピュータ『京』実は未だ世界最高峰!?『京』の凄さと『富岳』に求められるもの

今話題の『京』。すごいすごいと言うけれど、どれだけ凄いのか一般人ではよくわからなかったり・・。
次の『富岳』に代わる前に『京』がいったいどんなスーパーコンピュータだったのか知りたい。
そこでエンジニアの端くれの私が出来る限り分かりやすく凄さをまとめていこうという記事です。
スーパーコンピュータ『京』の処理能力
Wikiを見ると『浮動小数点数演算を1秒あたり1京回おこなう処理能力(10ペタフロップス)』とありますが、桁が意味不明で凄さが実感できない!
そこで、一般家庭用のマシンと比較してみると・・・。
今少し良いモデルのパソコンだと大体、CPUはCore i7だと思います。
Core i7でも色々な種類があるのですが、おおよそ処理能力は50ギガフロップス~160ギガフロップスのようです。
(ワークステーション向け等の上位モデルは抜いてますが)
ペタはギガより20乗大きい値です。とってもわかりにくい
10ペタフロップス:1京1258兆9990億6842万6240
100ギガフロップス:1073億7418万2400
なので、大体10万倍くらいの性能でしょう。
(間違っていたらご指摘いただけると助かります。)
『京』が誕生した2011年時点ではTOP500という処理性能ランキングで1位でしたが、後発のスパコンに抜かれていき現在は20位のようです。
1位はアメリカの『Summit』で処理能力は『京』の15~20倍の模様・・・。
POI(PERSON of INTEREST )の世界が現実になる日は近い。(どこにいても監視カメラで個人特定できる世界観の洋ドラです)
2019年もGraph500で『神威太湖之光』(中国のスパコン)を下し『京』が1位に
※Graph500というのは、ビックデータを解析時などに活用されているグラフ関係の複雑な処理能力を評価されるもの。
『京』がTOP500で20位だと侮るなかれ、Graph500ではTOP500で2位の『神威太湖之光』を下し1位。
しかも9期連続。複雑なデータ処理能力では未だ右に出るスパコンは無く世界最高峰です。
(素人考えではTOP500より重要なように思います…)
運用費は80億、電気代だけで22~29億
(他のサイトでは電気代月2000万程という意見もあるのですが、Wikipediaでは22億~29億となっていました。)
通常のデスクトップPCを1ヵ月つけっぱなしにすると大体2000円くらいの電気代がかかるのかなと思いますが、さすがはスーパーコンピュータ桁が違います。
関西電力の値上げの影響もあり、運用コストが厳しいというのも廃棄になる要因の一つのようですね。
『京』を使った成果発表一覧(一部のみ抜粋)
- 重要な研究課題への計算能力資源の割り当て(100件以上)
- 神経回路のシミュレーションに成功
- 超高解像度で地球全体の雲の動きをシミュレーションすることに世界で初めて成功
- 太陽内部の熱の対流構造を世界で最も細かく再現することに成功した
- 抗がん剤の候補物質を作製することに成功した
- 世界初の都市震災シミュレーションに成功した
- ヒトの脳全体シミュレーションを可能にするアルゴリズムを開発した
- 地球全体の雲の生成・消滅を詳細に計算できる全球雲システム解像モデル「NICAM」をスーパーコンピューター「京」で実行、シミュレーションし、約2週間先の台風発生予測が可能であることを実証した
- 地球温暖化が将来進むと、発達した台風の強風域が現代より拡大することを「京」を使ったシミュレーションで証明した
Wikipediaより抜粋
細かい事までわからないので、なんかすごそうと感じる内容をピックアップしましたが、、、笑
なんというか新しい分野に力を入れる事のリターンは、お金では換算できない価値があるんだなぁとシミジミ感じます。
というわけでまとめると
- 演算速度を競う「TOP500」で2011年度世界1位
- 複雑なデータ処理能力を競う「Graph500」で9期連続世界1位
- 様々な研究課題で利用され成果も出ている
- 2019年6月にGraph500で1位、同年8月30日にシャットダウン予定
- 運用コストが高い
『富岳』には何が求められているのか?
『富岳』はGreen500という消費電力当たりの処理能力を競う方向で取り組むという話が出ています。
Green500は、理研の『菖蒲』が世界一位を取るなど活躍されているので『富岳』も凄いスパコンになりそうな予感がしますね~。